2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、新築住宅の省エネ基準への適合が2025年度から義務化されます。既存住宅にも省エネ性能を上げる省エネリフォームを推進するさまざまな施策が打ち出されており、今後もこの傾向は続いていくものと思われます。
この記事では、関心が高まっているリフォーム市場の最新動向について解説します。
リフォーム市場の最新動向
空き家が増加していることは、ご存じの方も多いことと思います。2006年の「住生活基本法」の施行以降、政府は中古住宅流通の促進やリフォーム市場の環境整備を進めるようになりました。以前は「マイホーム=新築」というイメージが定着していましたが、「今ある質の良いものを活用して、きちんと手入れして、長く使う」社会への移行が推進されています。
リフォームへの関心が高まる理由
政府が中古住宅流通やリフォーム市場の環境整備を進めるなか、リフォームへの関心が高まっている主な理由として、以下の4点が考えられます。
1,国によるバックアップ体制の強化
2,不動産価格の高騰
3,コロナ後の新しい暮らし方を実現できる環境づくり
4,高齢化の進展と老後の移住ニーズ
それぞれの理由について解説していきましょう。
1,国によるバックアップ体制の強化
前述のとおり、リフォーム市場の環境整備といった国によるバックアップ体制が強化されています。
令和5年度も長期優良住宅化リフォーム推進事業をはじめとするさまざまな施策など、手厚い補助金や税制優遇などが展開されています。
2,不動産価格の高騰
2010年代後半から続く不動産価格の高騰はコロナ禍を経て高止まりが続いており、首都圏では一般的なサラリーマンでは手が届かないレベルにまで達しています。
<首都圏戸建ての成約価格推移(2018~2022年度、単位は万円)>
(公財)東日本不動産流通機構(レインズ)のデータによると首都圏における平均的な戸建て住宅の成約価格(2022年度)は、新築は4,133万円であるのに対し、中古は3,801万円です。新築より手頃な価格で購入できることから中古物件の人気が高まり、購入した物件をリフォームして居住することが注目されています。
3,コロナ後の新しい暮らし方を実現できる環境づくり
新型コロナウイルスの感染拡大により多様な働き方が定着し、自宅の空いている場所を利用してワークスペースを作りたいと考える人が増加しました。リフォームすることで、家族に気兼ねなくテレワークできるスペースの確保が可能になり、より快適な環境を実現しています。
また、コロナ禍で食材や日用品のストック量が増えたこともあり、収納スペースを広げ、使いやすい位置に間取りを変更するといったリフォームも増加しています。
4,高齢化の進展と老後の居住ニーズ
老後になってもできるだけ住み慣れた自宅で暮らしたいと考える人は以前から多く、元気なうちから将来を見据えた住まいづくりをしている人も少なくありません。
一般的には、バリアフリーや生活しやすい生活動線、ヒートショック防止のために住宅の断熱性能を上げることなどを総合的に見直すケースが多いです。
リフォームは早めの始動が重要
家族全員が過ごしやすい家を実現するリフォームを成功させるには、早めに始動することが重要です。というのも、家族で話し合いを重ねてイメージを共有するのには一定の時間がかかり、会社選びや打ち合わせなどに数ヶ月程度かかるからです。
またリフォームにはまとまった資金が必要なため、資金計画をしっかり立てておく必要があります。大掛かりな工事が必要な場合は工事期間も長くなるので、住みながらのリフォームができない場合もあり、仮住まい費用や引越し費用など、工事費以外のお金が必要になるため十分な事前準備が欠かせません。
加えて各補助金の利用を考えている場合は、助成制度の早期終了を見越してリフォーム会社への相談や手続きを行う必要があり、効率よく、かつリーズナブルにリフォームを行うためにも早めの検討・相談開始がおすすめです。
まとめ
不動産価格の高騰やコロナ禍、高齢化などの社会的要因に加えて、政府の手厚い政策によってリフォームしやすい環境が整備されてきています。
その一方で、リフォームを成功させるためには準備も含めて時間がかかるもの。信頼できるリフォーム会社にまずは気軽に相談してみるというのも一つの方法です。
住宅の省エネ性能の向上や、テレワークも含めた住環境の改善をして、快適な暮らしを実現しましょう。
written by 矢口 美加子
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