小田急線沿線の自治体によるお得なリフォーム支援制度をご紹介します!

 リフォームをする際、お得に使える補助金や税制優遇があることをご存じですか?
 これらを上手に活用すれば、リフォームに掛かる費用負担を大幅に削減することが可能です。リフォームの支援制度は、国が行っているものだけではなく地方自治体独自で行っているものもあり、それぞれ対象となる地域、工事内容、期間が異なります。

 そこで今回は、小田急線沿線の自治体が実施する各種リフォーム支援制度についてご紹介します。

国が実施する「住宅省エネ2024キャンペーン」とは?

 はじめに「住宅省エネ2024キャンペーン」について簡単におさらいしておきましょう。
 これは、国土交通省、経済産業省、環境省が実施するもので、住宅の省エネ改修工事によって、住まいの快適性とエネルギー効率を高め、環境負荷を減少させることを目的とした支援制度です。
 補助金の交付だけでなく、下記の6種類のリフォームを実施した際は、所得税控除や固定資産税の減額といった減税制度が受けられます。

1) 耐震リフォーム
2)バリアフリーリフォーム
3)省エネリフォーム
4)長期優良住宅化リフォーム
5)同居対応リフォーム
6)上記以外の増改築等の工事

 「住宅省エネ2024キャンペーン」と自治体のリフォーム支援制度では、要件が重複しているものもありますが、工事請負契約が別々といった一定の条件を満たすと併用可能なケースもありますので、内容を確認した上で有効活用しましょう。

 なお、「住宅省エネ2024キャンペーン」詳細については、以下のリンク先よりご確認いただけます。
補助金制度の詳細はこちら

地方自治体が実施するリフォーム補助制度

1)耐震化リフォーム工事

 耐震化リフォーム工事の支援事業は、現行の耐震基準に適合させるためのリフォームを行う場合に、助成金の交付や所得税の控除、固定資産税の減額措置などが受けられるものです。東京都と神奈川県の全自治体で耐震診断や耐震補強工事に対する補助金交付制度が実施されています。

 以下は、東京・神奈川の自治体におけるリフォーム支援事業の一例です。

耐震化リフォーム補助金の一例

<東京都>
①世田谷区木造住宅耐震化支援事業
・補強設計費の一部補助(助成限度額30万円)、耐震改修工事費の一部補助(助成限度額100万円)など

②(町田市)木造住宅耐震改修等事業(耐震改修工事)
・耐震改修工事(補助率:1/2、助成金限度額:50万円)、

<神奈川県>
①(川崎市)木造住宅耐震改修等事業助成制度
・耐震改修計画および(「一般世帯の場合」:補助率4/5、限度額15万円/戸)
・工事監理含む補強工事の補助(「一般世帯」補助率:4/5 限度額:85万円/戸)
 合計100万円
※非課税世帯の場合、部分改修の場合は補助率、限度額が異なります

②藤沢市木造住宅耐震改修工事補助金 ・地震災害対策工事の補助(補助割合:1/2、補助金限度額:90万円)
・既定の耐震診断に要した費用の1/2かつ6万円を上限に別途補助

※補助対象となる工事、助成額などの詳細要件は各自治体のホームページをご覧ください

 それぞれの自治体によって必要書類や申請の流れは異なりますが、ここでは「世田谷区の木造住宅耐震化支援事業」を例に説明します。

1)自宅の着工年月日や構造などが対象要件に当てはまるかを確認する。
2)区役所窓口に必要書類を持参し、「無料耐震診断」の事前相談をする。
3)耐震診断の結果、耐震基準に満たない場合や助成条件に該当する場合は、耐震改修工事等の申請を行う。
4)助成金交付が決定したらリフォーム契約の締結後、工事着手
5)工事完了後、助成金が支払われる

2)バリアフリーリフォーム工事

 バリアフリーリフォーム工事は、ご高齢の方や身体的なハンディキャップをお持ちの方が安全で快適に暮らせる住まいに改修するための工事です。手すりの取付け、段差の解消、滑り止めの設置などが対象です。要件は自治体ごとに異なりますが、工事費用の2割から5割程度を補助する自治体が多くなっています。

バリアフリーリフォーム補助金の一例

<東京都>
①世田谷区高齢者住宅改修費助成金 ・予防改修の場合(助成基準額20万円の1~3割)
・設備改修の場合(助成基準額①浴槽:379,000円②流し・洗面台:156,000円③便器の洋式化:106,000円の1~3割)
※改修費合計額が助成基準額を下回る場合は改修費の1~3割を補助する。割合は介護保険の利用者負担割合に準じる。

<神奈川県>
①厚木市セーフティ住宅支援事業
・手すりの設置、屋内の段差の解消などの対象工事費の1/2以内、補助上限額:3万円

②大和市不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金制度
・段差解消、トイレ改修などの工事費の1/2かつ上限10万円(工事に軒裏(破風を含む)改修工事が含まれる場合は上限20万円)

※補助対象となる工事、助成額などの詳細要件は各自治体のホームページをご覧ください

3)省エネリフォーム工事

省エネリフォームは、窓や壁の断熱工事、省エネ設備の設置など環境負荷の低減を図るための工事です。高効率給湯器の設置や太陽光発電、蓄電池の設置などが含まれる場合もあるなど、自治体によって対象となる工事や補助割合が異なります。補助額は工事費用の1割から3割とする自治体が多いようです。

省エネリフォーム補助金の一例

<東京都>
①災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(東京都)
・高断熱窓への改修(補助率:1/3、上限額:100万円/戸)、高断熱ドアへの改修(補助率:1/3、上限額:16万円/戸)、太陽熱利用システムの設置(1/2、上限額:55万円/戸)など

➁狛江市地球温暖化対策用設備導入助成制度 
・太陽光発電システムの購入(太陽電池モジュール公称最大出力(小数点以下第3位は切捨て)1キロワット当たり2万円)など
※限度額8万円、ただし共用の用に供するために、共同住宅の共有部分等に設備を導入する場合は限度額20万円

<神奈川県>
①太陽光発電設備等設置費補助金(川崎市)
・太陽光発電設備の設置(FITを適用しないもの、補助単価:7万円/kW、補助率:1/2)、
・太陽光発電設備の設置(FITを適用するもの、補助単価:4万円(定額)/件)など

➁住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金(相模原市)
・太陽光発電システム(一律8万円)、定置用リチウムイオン蓄電池、V2H(一律10万円)、ZEH(一律30万円)など
※LCCM住宅の場合加算あり(ZEHコースの30万円に10万円加算し計40万円)

※補助対象となる工事、助成額などの詳細要件は各自治体のホームページをご覧ください

まとめ

 国や自治体のリフォーム支援制度を上手に活用すれば、経済的な負担を軽減しながら快適な住まいを手に入れることができます。それぞれの制度においては、支援の対象となる工事や申請のタイミングが異なるため、理解するのが難しいという方も多いと思います。

 なかでも、工事要件を満たすためのプランニングや、国と自治体の支援制度の併用に関する確認などは複雑な点が多いです。また、予算額に達し次第、受付終了となるものもあるため、スケジュール管理にも気を配らなければなりません。計画を滞りなく進めるためにも、ハウスメーカーが行っている相談会やセミナーを利用して、専門家のアドバイスやサポートを受けながら検討することをおすすめします。

【関連コラム】
住宅省エネ2024キャンペーンの詳細が決定!補助金活用のポイントを解説します

written by 唯木 花奈


【参考】
▶耐震化リフォーム補助金の一例
<東京都>
・世田谷区
 木造住宅の耐震化を支援します(昭和56年5月31日までに着工した木造住宅)https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/sumai/002/005/001/d00030585.html
 木造住宅耐震化支援事業パンフレット(P2参照) https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/sumai/002/005/001/d00030585_d/fil/mokuzou.pdf

・町田市
 耐震改修工事(「助成額」参照)https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/sumai/house/earthquake-resistant/wooden/construction.html

<神奈川県>
・川崎市
 木造住宅耐震改修助成制度(5「助成金額」参照)https://www.city.kawasaki.jp/500/page/0000032250.html

・藤沢市
 藤沢市木造住宅耐震改修工事補助金交付(「耐震改修工事費用補助額」参照)https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kentiku/machizukuri/sumai/taishin/hojo/kaishu.html

▶バリアフリーリフォーム補助金の一例
<東京都>
・世田谷区
 高齢者向け住宅改修の助成・相談(「種目と助成基準額」「利用者負担」参照)https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/001/004/003/d00007052.html

<神奈川県>
・厚木市
 厚木市セーフティ住宅支援事業(「2 対象工事」「3 補助額」参照)https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/fukushisomuka/3602.html

・大和市
 大和市不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金(「5.補助費)「対象工事例」参照)https://www.city.yamato.lg.jp/gyosei/soshik/35/taisinka/4708.html

省エネリフォーム補助金の一例

<東京都>
・災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(東京都)
 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(「補助項目」参照)https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/dannetsu-solar
 リーフレット(「補助項目概要」参照)https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/r6-0603-pdf

・狛江市
 令和6年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成の申請受付を開始します(「3助成金額」)https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/41,127297,313,2006,html

<神奈川県>
・川崎市
 令和6年度 「太陽光発電設備等設置費補助金」について(「補助金ガイドブック」参照)https://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000139049.html#index-1-58
https://www.city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/contents/0000139/139049/gaido_bukku_web.pdf

・相模原市
 住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金(「奨励金額及び予定件数」参照)https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/kankyo/hojyo/1008083.html

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