トイレを快適にリフレッシュ|壁紙で楽しむインテリアコーディネート!

 毎日何度も訪れるトイレは私たちの日常生活に欠かせない空間です。そのため、年数が経つと、どうしても汚れが目立ってしまいますが、清潔さを保って快適に使いたいと誰もが思うことでしょう。

 あまり意識されることはありませんが、トイレの買い替え時期は、タンク内の部品であれば約10年、配管やパッキンについては約20年が寿命とされています。そのため、一定期間使用している場合には交換や買い替えを検討することが必要になります。節水型トイレへの入れ替えであれば、補助金の支給対象になる可能性もありますので、有効に活用したいですね。
 また、トイレ設備交換のタイミングに合わせて、壁紙を貼り替えるのもおすすめです。壁紙の貼り替えは、トイレの空間を清潔に保つだけでなく、印象を変えることもできます。そこで今回は、建築士としてこれまでにお客様にご提案した事例をご紹介しつつ、清潔で快適なトイレ空間づくりについて解説していきます。

お気に入りのトイレ空間をつくる壁紙選び

 壁紙のカタログを見ていると、多くの種類があって目移りしてしまいやすいものです。リビングなどメインの空間には、カラフルな壁紙を使うことに抵抗を感じられ、無難なものを選ばれる方も多いですが、個室であるトイレなら思い切ったデザインを使うことも叶えられます。まずは、トイレの壁紙選びをお気に入りのデザインで選ぶ際のポイントについて紹介していきます。

Point1 色づかいからトイレの印象を方向付ける

 壁紙の色は、トイレの雰囲気を大きく左右します。他の部屋と全くテイストの違うカラーを取り入れることもできますが、色の選び方には注意点があります。

 例えば、真っ白い壁紙をメインにすると明るくクリーンな印象です。白は、どんな色とでも合わせやすく、照明や手洗いといった他のアイテムも引き立てられます。ただし注意点は、汚れが目立ちやすいこと。ご心配であれば、薄いベージュやパステルカラーなど少し色味の入ったものにするのがおすすめです。
 また、はっきりとした鮮やかな色味の壁紙を使うと、個性のある空間となります。ただし注意点は、全面に使用してしまうと色味によっては圧迫感やしつこさを感じること。こんな場合は、アクセントクロスとして壁一面だけに使用すると、緩和されながらも個性を出すことができます。

Point2 トイレならではの自由度!柄入りクロスを使う

 トイレは個室であるため、お好みの柄入りクロスを自由に選べるのも魅力です。柄入りクロスには華やかなものや楽しいイメージのものだけでなく、色づかいを抑えた落ち着いたものやレンガや石目などテクスチャー柄など取り入れやすいものもあります。
 壁全面に使用する場合には、さわやかな色味のものや、小さい柄のものを選びましょう。一方、インパクトのある色使いや大きな柄のものを選ぶ場合は、アクセントクロスとして使用しましょう。特に扉の正面の壁にアクセントクロスを入れるのがおすすめです。視界に入りやすいだけでなく、奥行きに広がりを感じさせる効果もあります。

<実例紹介とお客様の声>
 新築時に気に入っていたインパクトのあるデザインの壁紙を、広い面積で使うには、他のインテリアとの調和や予算との兼ね合いからあきらめたお客様。数年後、トイレのリフォームの際に、「トイレは小さな空間だから、壁紙のコストも抑えられるし、ほかのインテリアアイテムとの統一感も気にしなくても良い」と、思い切って憧れの壁紙をチョイスされた結果、「トイレがお気に入りの空間に変わった、毎日使う場所だからこそとても満足している。」と喜んでいただけました。

Point3 お好みのインテリアスタイルでトイレを彩る

 トイレのインテリアスタイルを先に決めて、それに合わせた壁紙を選ぶ場合のポイントについて人気の高いスタイルを取り上げて紹介します。

 モダンテイストには、モノトーンの壁紙をチョイスしましょう。こちらの画像のような黒の壁紙はモダンな雰囲気を際立たせますが、配置によっては圧迫感が気になる場合もあります。その場合は、ライトグレーやベージュよりのグレーであるグレージュカラーに変更するとモダンな雰囲気を保ちつつ柔らかな雰囲気になります。タオル掛けやペーパーホルダーなどの小物を黒のアイアンやシルバーのものに変えるとさらに統一感が出ます。

 ナチュラルテイストには、白やベージュを基調にして、アースカラーや木目調のアクセントクロスをプラスしましょう。リネンのような織目の入った壁紙もおすすめです。木製の小物やかごを置くとさらにあたたかみのある雰囲気を作り出せます。

 北欧テイストには、白を基調に、明るい黄色やグリーンを合わせたり、自然モチーフ(ボダニカルや動物など)の柄入りクロスを合わせたりするのがおすすめです。木製の小物や小さな観葉植物を飾ると雰囲気がアップします。

<実例紹介とお客様の声>
 家全体はナチュラルなインテリアでまとめているけれど、トイレはもっと明るい雰囲気にしたいとのご要望を持ったお客様。明るいオレンジの壁紙を使った南欧風のトイレへリフォームされました。「トイレは他の部屋とは違ってドアを閉めて使うので、インテリアテイストを他の部屋と合わせなくても、違和感がない」とご満足いただけました。

Point4 上下で貼り分けて個性的な空間を作り出す

 トイレの壁紙を上下で貼り分けると、アクセントが加えられます。上下の切替え部分に、カウンターや手洗いの高さに合わせる方法や、ボーダークロスやモールを使って仕切る方法など様々な方法があります。また、手洗いボール付近の水掛かり部分にモザイクタイルを使って見切りと併用する、汚れの付きやすい下部だけに濃い色や異素材風のクロスにするなどおしゃれさと実用性を両立させるアイデアも取り入れましょう。

機能性にこだわり、清潔で快適なトイレ空間を実現する壁紙選び

トイレの壁紙を選ぶ際には、機能性にもこだわりましょう。トイレは、においや湿気、汚れなどが気になりやすいので、それらの問題を軽減できる機能のある壁紙を選ぶと、清潔で快適な空間を実現できます。トイレの快適さアップに有効な壁紙の機能を紹介します。

消臭機能・抗菌機能

 においの元となるアンモニアの分解、大腸菌の増殖を抑える、雑菌の発生を抑えるなどの効果を持った壁紙です。メーカーごとに、壁紙に練りこんだ消臭剤との化学反応や光触媒を使った技術が用いられています。

汚れ防止機能

 壁紙表面にフィルム加工が施すことで、撥水機能を高めて尿の飛び跳ね汚れの付着を防ぎ、さらにふき取りしやすい素材を実現しています。10年以上効果が持続するものもあり、きれいなトイレの維持が容易です。

防カビ機能・吸放湿機能

 湿度の変化に応じて湿気を急報室する効果を持たせた壁紙です。結露やカビの発生を防ぎ、湿気がこもりやすいトイレをさわやかに保ちます。

小田急ハウジング施工事例(LIXILエコカラット使用)

 壁紙よりもさらに機能性を求めたい場合は「LIXILエコカラット」がおすすめです。 エコカラットは、トイレの空気環境を改善するのにぴったりの壁材です。

 主な特徴については以下の通りです。
・セラミックでつくられた微細な孔があいているため、においや湿気を効率よく分解する
・結露やカビの発生を抑えるほか、有害物質を低減させる機能もあり、シックハウス症候群も予防できる
・吸湿性の高い壁紙と比べても約25倍以上の吸放湿機能を持っている
・水拭きできるのでお手入れが簡単
・タイル調や塗り壁調などデザインが豊富

まとめ

 今回は清潔で快適なトイレ空間づくりについて解説しました。壁紙選びは、トイレの雰囲気づくりに大きく寄与しますが、トイレ空間の清潔感と快適性で大事なのは壁紙だけではありません。壁紙のデザインが便器本体の機能や手洗いボールの有無、床材の素材や収納のデザインと調和しているかを見極めることも大切です。

 ただし、このような点のメリットとデメリットを把握し、一度に検討するのは難しいもの。現状の不満点の解消や取り入れたい希望の優先順位を考えながら、バランスのとれた計画をまとめるためには、プロに相談することがおすすめです。プロのアドバイスを受けながら、清潔で快適なトイレ空間を手に入れましょう。

written by 唯木花奈


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