家事がラクな洗面空間
お天気や洗濯をする時間は、必ずしも自分の思い通りにはいかないものです。乾ききらない洗濯物がリビングの眺めの良い場所に干しっぱなしになっていたり、後で畳む予定だった洗濯物が長時間ソファーに放置、なんて経験はありませんか?
折角これから新しい家を計画するのであれば、憧れの生活を実現するために、日々の家事は少しでも楽にストレスなくこなしたいもの。そこで今回は、“家事ラク”視点での洗面空間の作り方についてお話します。
今、注目が集まるランドリールーム
太陽が気持ちよく降り注ぐサンルームは、植物を育てたり、雨の心配をせず安心して洗濯物を干せるなど、イメージが良く要望も多いですが、ガラスに囲まれるため、夏の室温が暑すぎたり、ガラスの汚れが気になったり、直射日光に弱い衣服が干せないなど、気になる点もいくつか。
そこでオススメしたいのがランドリールームです。ランドリールームとは、「洗う、干す、アイロンがけ、畳む、片付ける」などといった洗濯に関わる作業が一箇所で完結する部屋のこと。近年では共働き世帯も多く、夜に洗濯をしたり、時短のため乾燥機を利用したりと、ライフスタイルも様々ですし、花粉やアレルギー、大気汚染などの外気リスクから洗濯物を守る目的などから、注目が集まっています。
ランドリールームを作るにあたり注意したいのが、換気を徹底すること。密閉空間であることに加え、アイロンを使用したり、乾燥機にかけないものを干したりと、湿度が高い状態が続くことが予想されるため、設計段階でできる空調対策を考えておきましょう。日当たりや風通しの良い設計が困難な場合には、エアコンを設置することも検討してみてください。
効率的な動線とは
1部屋分のスペースを取るほど余裕が無い場合には、効率の良い家事動線を考えることが不可欠となります。1部屋で収まっていなくても、前述した「洗う、干す、アイロンがけ、畳む、片付ける」の移動が短くスムーズであれば問題ないのです。
それではひとつひとつ具体的に考えていきましょう。
まず「洗う」については、洗濯物が出るのは、入浴のタイミングが多いでしょうから、お風呂近くに洗濯機スペースを確保。
そして「干す」については、できれば日差しの入る窓付近に家族分のボリュームが干せるスペースを。窓が無いなら換気扇や除湿機を使用するなどの湿気対策はマストです。
「アイロンがけ」と「畳む」については、立ちながらこなせるカウンタースペースがあればすみます。
最後に「片付け」に関しては、毎日のことなので、ひと目でどこに何があるかがわかるシンプルさと、さっと仕舞えてさっと取り出せる簡単さが重要です。それにはウォークスルー収納がコスト的にも機能的にもオススメ。ウォークスルー収納とは、通路を兼ねた通り抜けができる収納のことです。
では、これらを実現するための間取り上、大切なポイントを2つ上げてみます。
まず、基本的な家事に関する水回り(キッチン、浴室、洗面)をできるだけ近くに配置することで、無駄のない短い動線が設計しやすくなります。また、家事をしながら他の作業へ移れる行き止まりのない回遊性のある間取りだと、流れがスムーズで効率良く家事がこなせます。ちなみに新築マンションでも、回遊性のある間取りは人気があります。
また洗面空間以外にこだわりがあり、ランドリールームや上記のような効率的な動線が確保できない場合には、洗面スペース横にカウンターを延長させたり、洗濯機上のデッドスペースを物干し&収納にしたりするだけでも、家事は時短できます。
最後に
このように家事の中で、キッチン同様、多くの時間を費やす洗面空間。様々な時短家電も登場し、ライフスタイルも変化する中で、これまでの常識にとらわれることなく、楽しく効率的に過ごしたいもの。改めて見直すきっかけになれればうれしいです。