日常生活の些細なことが原因で大きな被害を生んでしまう火災。
建物にはそんな火災から私たちを守るためだけでなく、被害を最小限に収めるための規制があることをご存じですか。
国土交通省によって定められている防火地域には「火災が起こった際に延焼が広がるのを防ぐ規制」がかけられています。
規制基準は防火地域の種類・建物の大きさによって変わり、この規制によってリフォームする際に使えない窓やサッシ、材料などが出てきてしまいます。
建物にかけられる規制は家を建てるときだけでなく、“リフォームをするときにもつきもの”です。
今回は防火地域にはどんな規制がかけられていて、リフォームするときに何を気をつけなくてはいけないかを解説します!
防火地域の種類
まず防火地域にはどんな種類があるのか見ていきましょう。
都市計画法において防火地域は「市街地における火災の危機を防除するため定める地域」として指定されるエリアです。
主に「防火地域」「準防火地域」「法22条地域」の3つの種類があり、指定される場所は以下のようになっています。
様々な制限
これらの地域には、種類別に様々な制限がかけられています。
防火地域等に属している場合、下の表のように耐火建築物あるいは準耐火建築物の基準を満たさなくてはなりません。
*「延焼の恐れがある部分」
隣接する建築物などが火災になった場合に延焼の可能性が高いかを判断する基準のひとつ。
延焼の恐れがある部分とは?
では、「延焼の恐れがある部分」とは具体的にどの部分のことを指すのか見ていきましょう。
図1のように、隣地境界線または前面道路中心線から1階は3メートル、2階は5メートルにかかる部分のことを指します。この指定された部分は近隣の建物で火災が起こった際に延焼する可能性が高い部分とされています。
リフォームする際に気をつける規制
では、いざリフォームをするとなったときにどんな規制に気をつけなくてはならないのでしょうか。
主に二つあるので、見ていきましょう。
まず一つ目が先ほどご紹介した「延焼の恐れがある部分」に窓やサッシなどの開口部がある場合。
この場合は、国土交通省によって定められている防火仕様のものにしなくてはいけません。
二つ目が「建築確認申請」です。
防火地域および準防火地域に属する地域で増築工事を行う場合には、規模に関わらず「建築確認申請」が必要となります。これは建物が建築基準法に適合しているかを確認するためのもので、申請をしないまま工事を始めると違法になってしまいます。
リフォームケースごとの規制
case1 サンルームを作る
増築となるため、建築確認申請が必要となります。
また、延焼の恐れのある部分にかかる位置には、壁と屋根の材料に規制がかかります。
不燃材料または認定された材料で作らなくてはならないため、ポリカーボネートなどの屋根はNGです。
case2 2階に柱建てのバルコニーを新しく作る
10㎡未満の小さなバルコニーであっても、確認申請が必要となります。
このようにお住まいが防火地域等に属している場合、あらゆる規制に気をつけながらリフォームをしなくてはいけません。
ご自宅が防火地域になっているかも!?
近年、東京都では新たな規制区域が設けられるなど、防火にかかわる規制が強まる動きが各自治体で拡大しています。
新築で建てたときは防火地域等に属していなかったから、防火の基準など気にしていなかったけれど、お住まいの地域が気づかないうちに準防火地域になっていた、ということもあるかもしれません。
自治体によっては都市計画マップを公開している場合があります。「地域名+準防火地域」と検索してお住まいのある地域が準防火地域かどうか調べてみてください。
都市計画マップがない場合は、対象地を管轄する役所の都市計画課や建築指導課、まちづくり推進課といった部署にて確認することができます。
建物が異なる地域にまたがる場合は、制限が厳しい地域の規制が建物全体に適用されます。
住んでいる地域が防火地域になっているか不安だから調べてほしい、
調べてみたら準防火地域になっていた、
という方は小田急ハウジングにご相談ください。