リフォーム 個室編:家族と一緒に成長する個室

 リビングダイニングと隣室でつくる、可変性のあるLDKの魅力については前々回のコラムで紹介しましたが、今回は、個室(寝室や子供部屋)を中心に、長い目で見た“可変性=成長する”間取りの工夫についてお話します。

余った個室、足りない個室どう解決する?

 家族といえば、夫婦2人→子供が増えて3、4・・・人→子供が巣立った夫婦や大人の親子2、3人などのように、年齢・体格・人数も変わっていくことが多いでしょう。
 もちろん、世代を超えた大家族や夫婦水入らずのまま、それ以外にも様々な家族の形がある現代ですが、未だ一般的と言われる家庭の個室問題には、
① 兄弟で使う子供部屋を子供の個室にするにはどんな方法がある?
② 家族が減って人数以上ある個室をどんな風に使う?
という2点が挙げられるのではないでしょうか。

 ①でよくあるのは、下の写真のように、新築時などに広めの子供部屋を用意し、2つのドアとクローゼットを設けておいて、後から間に壁をつくれば子供の個室が2つをつくれるというもの。とはいえ、子供が個室を使うようになる頃は、教育費もかさみ個室を増やすリフォームまで手が回らない…といった話もよく耳にします。

2つのドアを設置した子供部屋

 ②については、最近では夫婦別(寝)室が人気のようですね。ほかには、趣味部屋にする方も多いようで、子供も巣立ち、時間やお金に少し余裕があるからこそ、趣味や好きなモノに囲まれて暮らしたいなどのニーズが生まれるのでしょう。そうはいっても、あまりに大掛かりなリフォームは面倒くさいな…という人が多いのも事実。

 そこでこの2つの問題に、なるべく簡単&リーズナブルにリフォームまたはアレンジできる方法を少し紹介しましょう。

個室を増やしつつプラスαの魅力

 一番リーズナブルなのは、2段ベッドや机&本棚などの既存家具で仕切ることですが、プライバシーの問題が残ってしまいますね。同じ家具でも、大きなクローゼット家具で仕切る例があります(事例1)。可動式や転倒防止の天井突っ張りタイプになっている市販品もあるので、互い違いに組み合わせれば間仕切りになりつつそれぞれの収納にもなります。

事例1:置き型クローゼットで間仕切り

 また、新築時に最初から個室をつくってしまい、その個室の間にやや広めのWICをつくった例があります。まだ一人では寝られない小さな姉妹がその小部屋(WIC)で一緒眠ったり、秘密基地として遊べるように…ということで、天井に蓄光タイプの夜空柄のクロスを張りました。後々WIC内に、天吊り式ハンガーパイプを付けたり、パーティションで仕切ることを考えて天井下地もしっかり入れておけば、完全個室&クローゼットが欲しいとなった時にも、高額のリフォーム費用はかけずに済みますね。

事例2:中央小部屋をフレキシブルに活用
参考:蓄光クロス(株式会社サンゲツ)

大人個室のアレンジを楽しむ

 まずは別寝室についてですが、夫婦でも親子でも高齢になってくると、少し離れて自分のペースで良質な睡眠をとりつつ、一方に何かあった時に気付ける距離感でいたい、という相談を受けます。そういった場合は、少し広めの部屋をパーティションや背が低めの収納などを使って間仕切ると良いでしょう。両者がそれぞれ収納やディスプレイを楽しめる上、壁をつくる大げさなリフォームにはならず、閉塞的にもならないのでエアコンや天井照明は共有できます。

 次に、趣味部屋へのアレンジで比較的簡単な、和書斎、コレクターズルーム、ヨガ部屋などの事例です。畳収納家具を置けば小上がり風の和空間に。コレクション収納には可動棚用レール+カラークロスでオリジナリティを。大判ミラーとクッションフロアの上貼りでヨガ部屋…といったように、ちょっとしたアレンジで気分も上がる部屋になりますね。ただし大音量や水を使うもの、大重量や振動が出るなどの趣味部屋はきちんとリフォーム工事を依頼した方が良いでしょう。

事例3:様々なサイズで市販されている
畳収納家具
事例4:ディスプレイが映える
カラークロス
事例5:明るい内装と大判ミラーのヨガルーム

 「家族の成長に合わせる」と言っても、家族の関係性や趣味嗜好まで考えると成長過程も様々だと思います。それでも、自分たちに合った長期的な可変性をよく考えて、ついつい小さなハコとして考えがちな個室もうまく活用しながら永く心地よく暮らせるといいですね。

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