毎日使うキッチン。作業時間を短くしたい、清潔に保ちたい、家族や友人と会話を楽しみながら調理をしたいなど、様々な要望があり、各ニーズに応えるためキッチンメーカーから最新機能が搭載されたキッチンが登場しています。
今回はそのなかでも、汚れにくく掃除がしやすい、家事をラクにしてくれる機能や、 調理がしやすく時短に役立つ機能を設備別に紹介します。
シンク
1.形状
キッチンカウンターとシンクの継ぎ目や排水口との継ぎ目は、汚れが溜まりやすいうえにお手入れしにくく、お掃除を後回しにしがちな部分。一体成型された最新シンクは、継ぎ目がなく汚れを気にしなくて良いことが魅力です。
調理や片付けで生じる野菜くずや汚れがシンク内に残ってしまい、後から流す人が多いようです。この手間を省いてくれる機能として登場したのが、シンク内に施された傾斜や溝、段差。メーカーによってシンクの構造はさまざまですが、調理や片付けをしている間に、水とともに自然とゴミや汚れが排水口へ流れるよう計算されています。また、水はけがよくなり素早く乾くことで水垢がつきにくくなっているものもあり、毎日のお手入れをラクしてキレイに保てるのが嬉しいですね。
2.多層構造
複数品まとめて調理する場合、シンクとコンロ間の調理スペースだけでは足りなくなりがちです。十分な作業スペースを確保するために、一品ずつ材料を冷蔵庫から取り出したり、シンクにプレートやカゴを設置して作業スペースを広げたりしている人も多いのではないでしょうか。
シンク上だけでなく、シンク内にもプレートやカゴを設置できる多層構造シンクを取り扱うメーカーが増えています。狭いスペースでも2層になれば2倍のスペースが確保できます。例えば、カウンターの作業スペースに冷蔵庫からすべての材料を置き、2層目の穴のあいたプレートで野菜を洗い、1層目のまな板プレートで切り、2層目においたボウルへ移すことも可能です。さらに、まな板でもう1品の作業もできます。シンク上の2層目でフライの衣付けなど汚れやすい作業を行えば、サッと水で流すだけで片付けもラクになり、タイムパフォーマンスを求める人にはぴったりですね。
また、調理で必ず出るのが生ゴミ。シンク内に三角コーナーを設置することが多いと思われますが、ゴミ用のポケットをつけたシンクも登場しています。まな板で切って、そのままポケットへと捨てることができ、作業をスムーズに行えます。
キッチンカウンター
1.カウンターの素材
キッチンカウンターの素材には、様々なものがありますが、なかでもステンレスと人工大理石が一般的です。 ステンレスは、熱に強く、汚れや臭いがつきにくく、掃除がしやすいのが特徴です。しかし水垢が目立ちやすく、傷がつきやすいのがデメリット。そこで、水や油をはじく成分を含んだコーティングを施したものや、エンボスなどの傷が目立ちにくい加工をしたものが登場しています。機能だけでなく色や風合いからも、モダンでスタイリッシュなインテリアに仕上げたい人にはオススメの素材ですね。
人工大理石のカウンターは樹脂100%で作られており、水垢が目立ちにくく、耐久性や清掃性が良いことが特徴です。しかし、熱に弱いため鍋などの跡が残ったり、傷つきやすかったり、調味料や油などがシミになりやすいなどのデメリットがあります。そこで油や水をはじく成分を配合したカウンターが登場しています。調理したらすぐ拭けばキレイに保てることはわかっていても、時間に追われて後回しになりがちなサッと一拭きの手間。あらかじめ汚れが付きにくくなっているのはやっぱり嬉しい機能ですね。
人工大理石のカウンターは色柄が豊富で、ステンレスに比べて温もりあるインテリアを求める人にオススメです。ホワイトやベージュ色を選べばナチュラルなインテリアに、ブラックやグレーの石目系を選べば高級感のあるインテリアに、と色や柄の選択で、キッチンを家具のように見せて、自分好みのインテリアに仕上げることができます。
2.コンロ
ガスコンロでは、ガラストップと五徳が一般的です。汚れの溜まりやすいバーナー周りのリング継ぎ目や周辺フレームをなくしたものが登場し、ガスコンロの清掃性はかなりアップしています。
また、トップがフラットなIHクッキングヒーターにすれば、お手入れはさらに簡単に。ビルトインコンロの場合は特にカウンターとの段差が小さいので、隙間に汚れが溜まるのを防ぎ、ガスコンロのような五徳がない分、調理後の拭き掃除がしやすく、調理から片付けまでがスムーズです。
3.レンジフード
ファンを外して、お湯につけて、ブラシで油をとって…と手間がかかるレンジフードの掃除です。使用後に自動洗浄する機能が登場しています。お湯を入れてボタンを押すだけで洗浄してくれたり、使用後に油の侵入を防ぐプレートと油を落とすファンの高速回転で汚れを溜めなかったりと、10年間ファンのお掃除不要の商品もあります。
近年はレンジフード本体の凹凸が減り、部品のプレートや油受けのトレイなども、サッと拭くだけで汚れが取れたり、食洗機で洗えたりと、大掃除でやるぞ!と気負わずに、毎日の簡単なお手入れで簡単にキレイに保てるレンジフードが増えてきています。
まとめ
キッチンの設備や仕様は、求められるニーズに合わせて年々多様化し、使いやすさと快適さが飛躍的に向上しています。そのため、必要な機能や設備選びに迷うケースも少なくありません。
今回ご紹介した汚れにくく掃除しやすいキッチンは、清潔に保ちやすくなるのでお手入れがラクになります。また、調理がしやすいものを選べば、これまでよりも短い時間で調理・片付けを行うことができるタイパのいいキッチンになります。 最新のトレンドや製品の知識に精通する専門家とともに、今抱えているキッチンのお悩みを解消しつつ、ライフスタイルや予算に合わせた満足度の高いキッチンを手に入れてみませんか。
written by 木村 玲子